月夜を歩く

新宿から代々木を通り、参宮橋から代々木公園方面へひたすらに歩く。
代々木公園まで来たら、急に夜の公園をさ迷ってみたくなり、公園内に入る。
夜の公園は静謐で、風が木々を揺らし、ざわざわと葉を鳴らしている。
空にはぽっかりと月が出ている。周りに最小限の灯りしかないので、一段と月が光って見える。

Walking behind the trees in the clear moonlight night with a little smile

公園内のベンチで暫しぼんやりする。
伊東整の「月夜を歩く」の詩が頭を過る。

  • 〜誰も知るまいと 私は白い月を顔に浴びて 微笑んで見たのだ〜

気が付いたら2時間近く公園にいたので、慌てて渋谷公園通りを抜けて帰る。
渋谷は夜になっても人が多い。
この享楽に疲れた人達の何人が、あの月に気付いているだろうか?と思いながら
渋谷の街を足早に抜けて、帰途に着いた。